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ユーロエステート:~なぜあの時思い切ってイタリアに移住する決心としなかったのだろう?と後悔しないために~

イタリア 移住・ビザ

~なぜあの時思い切ってイタリアに移住する決心としなかったのだろう?と後悔しないために~

2021年3月23日

イタリアに移住をしようと思ったきっかけ・心境を教えてください。

2009年5月に、イタリア南部のサレルノ市(ナポリ近郊)に、語学留学の滞在目的で移住しました。
きっかけは、何度かイタリア旅行をして、イタリアの街や芸術、食事、人などに魅了され、訪れるたびにこの国に長期滞在したいという気持ちが高まっていったことです。

日本では長年外資系企業で秘書をしていました。仕事はやりがいがあり、やめる踏ん切りはなかなかつかなかったです。
ただ、仕事はハードで残業も多く、人間らしい生活をしたいという願望が年々膨らみ、決断までにはかなり悩みましたが、全く違う文化で新たな生活にチャレンジしてみたいという気持ちが大きく、ある程度貯金ができた時点で、思い切って決断しました。はじめから退職後すぐにイタリア移住の予定でした。

行くなら短期ではなく長期、できれば一生イタリアに移住したいとはじめから考えていました。
自分の生活を変えたい気持ちが大きかったので、3か月などの短期では、滞在が終わればまた元通りの日本の日常に戻ります。
日本での忙しい仕事ばかりの毎日を長年続けてきて、金銭的な豊かさではなく、生活の質の豊かさを追及したい、全く違う人生を始めたい、という希望がありました。

一番心配だったのは何と言っても金銭面です。イタリアでなかなか仕事が見つけられなかった場合、今後どうやって生活していけるかは心配で、なかなか踏ん切りがつかなかった一番の理由でもあります。現地の生活になじむことができるか、友人ができるかも心配でした。友人からは、将来を考えて、やはり日本の仕事は辞めないほうがいいと言われることが多かったです。家族からの反対は意外にもありませんでした。自分の人生なんだから、よく考えて本当に希望したことなんだったら応援すると言ってくれました。
語学学習は、英語は大学での専攻でもあり、長年外資系企業で使っていたこともあって、英語はビジネスコミュニケーションレベルで問題なく使えるレベルでした。
イタリア語は、イタリア語教室に通って勉強していましたが、旅行会話ができるほどだったので、もっとレベルアップをしておけばよかったと思います。

イタリア語が伸び悩んでいる方はこちらをご覧ください

移住のビザ・仕事・おすすめの方法について

ヨーロッパ体験談   ヨーロッパでアパートを見つける方法

イタリアへのビザの書類や手続きはどうでしたか?

私はまずは学生ビザを取得しました。政府公認の学校の入学許可証を取り寄せること、また留学期間をカバーする十分な資金があること、などなどが条件で、必要な書類が揃えばビザは問題なくおりますが、イタリアの学校とのやり取り、書類を不備なく揃えること、など慣れない手続きが難しいと感じました。期間ははっきり覚えていませんが、2~3週間だったと記憶しています。

イタリアは経済的に苦しい国で、仕事を見つけるのは簡単ではありませんが、しかし経験から不可能ではないと言えます。現地で知り合ったイタリア人、日本人にとにかく仕事の紹介をお願いし、自分でもネットで情報収集して目ぼしい所に履歴書を送るなどの努力をしました。幸い、初めは週に1時間、2時間のバイトから始まって、イタリアでの仕事のやり方に慣れてきたら、どんな仕事でもえり好みせずに、契約をしてくれる仕事は受けるようにして、だんだん定職につくことができるようになりました。初めのうちは給料が低く、日本での貯金を切り崩す生活でしたが、知り合いから仕事を紹介してもらえる機会も多くなって、転職を繰り返しながらだんだん給与レベルも上がっていきました。

イタリアでフリーランスビザを取得するには?

まずはイタリアに語学留学という手もあり?

 

私はかなりイタリアへの移住の決意は固めていたものの、やはり現地が合わなかったらという不安もあったので、一年間の語学留学を予定していたものの、まず6か月だけビザをとって、イタリア南部に留学する。そして一旦日本に帰って、イタリア北部に6か月留学する、という方法をとりました。
イタリアへの渡航費用も2重にかかるし、誰にでもおすすめできる方法ではないかもしれませんが、一旦日本に帰ったときに、自分はやはり移住したいかどうか、という決心を見つめなおすことができたこと、異なる街を経験できたことで、私には役立ちました。

行動をしたことで、まさにいろいろな世界が広がりました。ある程度の計画は日本で立てていっても、現地に飛び込んでみて知り合いが増えることで、自分の知らなかったジャンルの仕事の紹介が舞い込んでくることもあり、また、当初予定していた街と別の街に引っ越したりということもあり、知り合いが増えました。

イタリアではじめに語学留学、大学留学をお考えの方は

➾ イタリアの語学学校に留学をした方の体験記事はこちら

➾ イタリアの大学に留学をした方の体験記事はこちら

イタリアの留学費用はどれくらい?

私ははじめの半年で200万円ぐらいを予定していましたが、やはり最初の年はイタリア国内旅行やヨーロッパ旅行に行ったり、レストランやバールなどに友人達と出かける機会も非常に多く、かなり予算オーバーしてしまいました。

留学中の生活費について詳しくはこちら

 

イタリアに到着してからの生活・展開はどうでしたか?

イタリアは人がとても大らかで明るいです。知らない人ともすぐ挨拶をしたりおしゃべりが始まり、日本にいた時よりもオープンな性格になれました。

イタリアの社会・文化については来る前にかなり情報収集してから来たので、予想と違ったということはあまりありませんでした。日本より生活が不便なことに関しても、日本との違いを面白がる、笑い話にする、というふうに心がけました。

食事はレストランなどもほぼ100%イタリアンといっていいですが、とてもおいしく日本人の口に合うので、想像したほど和食が恋しくはありませんでした。近年日本食ブームで寿司レストランなどもかなり増え、醤油、海苔、味噌などが売っているお店も以前に比べたら増えてきました。
ナポリは海に近いので、魚介類は豊富です。ただ、生で食べられる魚はなかなか見つかりません。

イタリアの治安は日本より注意が必要ですが、今のところ被害にあったことはありません。一人で夜遅くは出歩かないようにしています。

生活に慣れてきたのは着いて3か月ほど過ぎたあたりからです。イタリア語での会話もある程度スムーズにできるようになって、知り合いも増えてきました。イタリア人の友達を作るのは思ったほど簡単ではありませんが、友人を通して他の友人を紹介してもらったり、定期的に食事を一緒に楽しむ友人が数少ないながらできました。

私は語学をレベルアップするために、計一年間語学学校に通いましたが、日本で語学は始めた方が良いと思います。

住みやすさの面では、お役所でも公共交通機関でも常に待たされたり、一度でスムーズにいかずに何度も出向く必要があったりと、日本に比べるとかなり不便でストレスがたまる場面が多いです。その分、横のつながりやコネが濃く、知り合いのつてを通じて紹介してもらうと手続きがスムーズにいくなど、こちらの社会の仕組みを理解してうまく立ち回る必要があります。

イタリアの医療は保険に入れば基本的に全て無料ですが、やはり時間・日数がかかることが多いです。
よりよい医療を受けようと思えば、割高な料金が必要なことが多いです。あと、歯医者は保険がきかないので、高いです。

イタリアの暮らしは好きですか?どんなことがありましたか?

イタリアに移住してよかったところは、やはり日本国内にいただけではわからなかった、様々な文化や視点を知ることができたことです。日本人はどうしても細部にこだわって大局を見るのを忘れてしまうことがありますが、ヨーロッパ特にイタリアでは、細かいところに時間をかけずに本来の目的を達することが重要、という考え方をします。約束を忘れられてしまったり、生活の中ではイライラすることもあるにはありますが、大らかな心で許せるようになりました。

また、やはりヨーロッパの他の国が近いということで、ヨーロッパ旅行が気楽にできるのが嬉しいです。今までに、フランス、ベルギー、スペイン、ポルトガル、オーストリア、トルコなどに行きました。また、夏のバカンスが長いです。交代で最低でも2週間のバカンスをとり、帰ってきたら同僚と笑顔で、どんなバカンスだったか報告しあいます。ヨーロッパ人は海が大好きなので、海の近くに長期滞在して、移動はあまりせずにのんびりするスタイルです。

そしてイタリアに移住後の一番のハイライトは、一生を共にする伴侶に出会ったことです。
国際結婚では文化や言葉の違いでコミュニケーションミスが起こることもありますが、根本のところではお互いを大事にし、共に生活を楽しんでいます。(例えば、イタリアでは、ヨガとテニスを始めました)

イタリアの住みやすい街は?

 

日本にいた頃の自分に伝えたいことは何でしょう?

日本にいた頃の自分に、決断はできるだけ早いほうが良いよ、と伝えたいです。イタリアでは日本ほど若さが重要視されるわけではありませんが、やはり語学学校でも若い生徒が圧倒的に多く、同年代の友人ができやすいし、フットワークが軽くいろんな活動ができると思います。

日本からヨーロッパに移住する前は、やはりなんでも便利な日本での生活を捨てて、不便なイタリアに渡ることに非常に不安がありました。ホームシックにかかるのではないかと恐れていました。実際来てみたら、不便さを楽しんでいている自分を発見できました。物質面の豊かさが幸せにつながるのではなく、人間的な触れ合い、仕事だけではない余暇を楽しむことが本当に幸せなのだということに気づきました。

もしずっと日本にとどまっていたら、きっと今もオフィス勤めで安定した収入を得られているかわりに、きっと不満の多い不完全燃焼な日々を送ったいたのではないかな、と思います。その選択がよかった悪かったかは人によると思いますが、私の場合は、なぜあの時思い切ってイタリアに移住する決心としなかったのだろう、と後悔していたと思います。逆に移住を実行した今は、生活がすべてバラ色とはいきませんが、日本にとどまればよかったという後悔だけは一切ありません!

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