ドイツに移住をする際に、実際に移住した方のきっかけや、その後が分かると参考になると思い、私のケースを紹介させていただきます。
ドイツに移住をしたきっかけや、移住方法・ビザや、現地での生活についてをご紹介させて頂きます。
ドイツ移住をしたきっかけ
ドイツの滞在目的は当時付き合っていた人がドイツ人だったからです。
その彼がドイツに帰ることになり、私も思い切って仕事を退職しドイツに行ってみようと考えたのでした。
移住するというような強い決意ではなく、とにかく彼と一緒にいたいという気持ちで日本を出発しました。
もちろん両親は良い顔をしませんでした。もしこの時移住する覚悟ができていたのであれば、ドイツ語学取得をもっと真剣に考えたのでしょうが、その当時は恋愛で頭がいっぱいで、英語でなんとかなるだろうという甘い考えを持っていました。
急な移住決心だったため、たくさんの方々に迷惑をかけたものの、その時の踏ん張りがなければ、今の私のドイツでの生活は存在しなかったのだと、今ではしみじみ思います。日本では、家族や友達に、滞在目的がはっきりしていない、ドイツ語の知識が全くないこと、生活がうまくやっていけるのかと心配、反対は多々されました。
ドイツに移住して良かった点は、精神的な満足感
ドイツに移住して良かったのは、「物質的な満足感」より「精神的な満足感」を重視できるようになったことです。日本ではまだ物質的な満足感を追う人が多いと感じます。
ドイツ人の生活は本当に慎ましやかです。ここでは流行りの物に簡単に手を出したり、不要な物をあれこれ買って捨てるということは美徳とされません。良いものを大切に使うというエコな精神が根付いています。
また文化的な生活もとても充実しています。各町には必ず劇場があり、若い人も気軽にオペラに出かけて行くことができます。市民大学では少ないお金で色々な講座が受講できます。私はここで陶芸もしました。
ドイツで今のパートナーと知り合って結婚し、その後職業訓練所で介護関係の訓練を受けた後に老人ホームに就職し今に至っています。
週末に森を散歩すると「ああ、ここに住んで良かった」と感じます。
昔の自分は、時間、お金、生活にいつも不安を抱き、ストレスを溜めていた記憶があります。
「ドイツ人はストレス嫌い」という文化の特徴もあってか、ストレスを抱えているように見えると、どうしたのとすぐに声をかけて接してくれる人が多いと感じます。ストレスによってネガティブになるよりも、ストレスの吐き出し口がたくさんあるのを利用して、ポジティブ思考になったような気がします。これまでにも、アメリカや南米でも滞在したことがありましたが、家族との生活、残りの人生を過ごす場所としては、ヨーロッパは住みやすく将来を考えやすい場所なのかなと考えることが多々あります。
ドイツに移住するにあたり必要なことは?
ドイツに移住するにあたり、まずはビザ
ドイツに長期間滞在する場合、いくつかの方法がありますので、まずは何のビザを取るかを決める必要があります。
色々な選択肢がありますので、詳細はこちらをご覧ください。
ドイツのビザの取得方法はこちら
なお、一番簡単なのはビザなしで3ヶ月以下の滞在です。3カ月まででしたらビザが不要なので、旅行者としてロングステイすることが出来ます。
まずは一度ロングステイをしてみて、肌に合うかを見るというのはとても良い選択だと思います。
3カ月以上滞在がしたい方は、多くの場合、留学かワーキングホリデーのビザを申請することになります。
ビザ申請の手続は銀行の残高証明や保険に入っているなどの書類を揃え申請後2週間くらいでビザが出ます。
ドイツのワーキングホリデーのビザの取得方法はこちら
ワーキングホリデーの注意点は年齢制限があることです。ビザ申請時に18歳以上で、31歳に達していないことが条件です。
30歳までしか取得できない方法で、一番簡単なビザなので、まずはドイツを体験してみたいという方はこのビザが良いでしょう。
ドイツの大学留学、語学留学という選択肢もあります。
ドイツで大学留学、語学留学をすると、次のステップに進みやすくなるという利点があります。
例えば、現地で就職をする際に、学位や語学力があると断然有利になります。
ドイツの大学留学、語学留学についてはこちらをご覧ください。
ご自身で事業活動をしている方はフリーランスビザというものがあります。
フリーランスのビザについてはこちら
いきなり移住といっても、はじめは何らかの形で滞在をはじめる必要がありますので、
その第一ステップが留学かワーキングホリデー、フリーランスビザという方は多いです。
永住権は5年以上滞在をしたら申請可能に
そしてその後、ドイツに長期で滞在をすると、永住カードを申請することが出来ます。
(通常は、最短で5年以上滞在をすると申請が出来るようになります)
しかし、ドイツの税金や保険の支払いをした期間が5年分ということなので、実際は6-7年ぐらいかかると思っていた方が良いです。
ドイツ渡航前の貯蓄の目安
日本では3年仕事をしていて自宅に住んでいたのでドイツで1年程度暮らせる費用の準備はできていました。貯金がなければこんなにスムーズには進まなかったと思います。外国に移住するにはきちんと仕事をしてお金を貯めることが重要です。目安ですが200万円程度は用意しておくと安心だと思います。
移住してからの仕事については、細かい計画を立てるよりも行動が先という考えがあったので、これも移住に踏み切ることが出来た一つの理由かとも思います。
ドイツだけではなく、どこの国に行っても、働きたいという意欲と行動が、仕事を手にする方法の一つだと私は思っています。
ドイツ語の語学はゼロでも良いか?英語でも良い?
ドイツには市民大学という所があり誰でも比較的少ないお金でドイツ語を習うことができます。
私のクラスには東欧、アフリカ、アラブからの人がいました。英語でなんとか通じるだろうという私の考えは甘く、最初はとても大変でした。
日本ではじめから習っておけばよかったと本当に後悔しました。全くのゼロからのスタートは絶対におすすめしません。
ドイツ語が伸び悩んでいる方はこちらをご覧ください
ドイツの住みやすさは?
住みやすさからいうと、ドイツはおすすめな移住先です。どこへ行っても清潔です。
でもドイツ料理は口に合わないので、私はできる限り家で日本食を作っています。ドイツの生活は質素で外食するという人は少ないです。
魚類は日本に比べて高いのと、日本食でよく見かける魚や野菜が手に入らないとこは多々あります。
ドイツの治安は?
治安や住みやすさについては、その人の感覚や地域によって大きく異なりますが、私が住んでいる地域は緑が多く、比較的外国人が少ないこともあり、育児をする上では満足できる環境にいます。
ドイツ各都市がどのような街か、治安は安全か、生活費はどれくらいかかるか?などはこちらをご覧ください。
医療面は?
医療面については、月々に払う保険料は高いものの、いざ救急で病院にかかる時、
大きな病気をした場合、その時の持ち金などの心配なしにケアをしてもらえるのがとても安心です。
ドイツへの移住を考えている人へのアドバイス
現地で通用するスキルや知識を磨いておくこと
私は学生時代に勉強好きではありませんでした。でももう少し色々な知識を深めておけば良かったと後悔しています。英語は得意でしたが、ドイツ人の間でバリバリ仕事できるほどではありません。かと言ってドイツで日本語での仕事を探すのはとても大変です。
海外移住するときには、やはり何か稼げる資格を持っている方が断然強いと実感しました。
住む場所を変えると人生をリスタートできる
「移住」という言葉は重たく、決心するにはなかなか腰を上げづらくなるけれども、自分の幸せを考えるなら「移住」じゃなくて、住む場所を変えて。人生をリスタートすると考えるべきかなと思います。移住をしても、自分の故郷や家族を失うわけではありません。
もし自分の思うように、期待したように生活できなかったら、戻れる場所はいつでもあると自分にプレッシャーをかけないことも、移住成功の秘訣でもあります。あの時の移住の決心をしなかったら、今の幸せな家族との生活や自分のポジティブ精神はなく、後悔の念に満ち溢れていたことは絶対です!
本当に移住を考えている方は、まずは行動をしてみることがおすすめです。
はじめはドイツに短期滞在、もしくはロングステイをしてみると、どのような都市が合うか、本当に移住したいかなども分かると思います。