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フランスの配偶者ビザ:パックス(PACS:連帯市民協約)で私が知らなかった【3つの落とし穴】

2017年12月28日

フランスの配偶者ビザを取得しようとした経験と、私たちが陥ってしまった3つの落とし穴を解説します。

パックス(PACS:連帯市民協約)は、結婚ではないが、結婚と同様の権利をもらうことができる協約で、結婚(離婚も)の手続きが煩雑で大変なフランスにおいては、とても人気がある重要な制度です。

フランスに移住される方で、パートナーがフランス人という方は、PACSを検討されていることと思います。
こちらの記事ではPACSの書類および申請方法と、実際の体験談からの注意点をご紹介いたします。

※制度は随時変わっていること、担当者によっても対応が異なることを踏まえてお読みください。

パックス(PACS)で配偶者ビザの取得は実は難しい

結婚と比べて、式も挙げなくても良いし、手続きはとっても簡単だよ!

とフランス人パックスのカップルは言うのですが…

全く簡単ではありませんでした。パックスの手続きでは想定していない落とし穴が待ち受けていました。

事前に知っていれば。。ということが多くありましたので、この記事ではこれからPACSを行う方々が気をつけた方が良いと思う、実際にあった落とし穴をお伝えしたいと思います。

まず、簡単にパックスのおさらいです(すでにご存知の方は、飛ばしてください)

フランスでの結婚は「神聖な場所」で行うことが義務ずけられていて、誓いを誰かにみてもらわなければならないのです。
教会で行うか、パリ区役所でもできますがミニスターと呼ばれる結婚の誓いを成約出来る人と、承認のサインが最低2名必要になります。
その上、フランスでは一度結婚してしまうと離婚が大変、という理由で皆さん結婚は躊躇するそうです。

私達は、授かり婚でしたが、最初はお互いあまり結婚する気はありませんでした。
そこで私達も”PACS”<パックス>正式名称は「民事連帯契約」を行おうとしました。

そして、簡単にPACSのメリットを言うと↓です。

1: 結婚よりも制約が少ない(結婚よりも安価で離婚も弁護士さんを立てずに離婚できるなど)
2:PACS<パックス>を解消する時には両人の同意で十分)
3:税制上で結婚とほぼ同様の法的優遇権

それでは、落とし穴の紹介です。

<パックスの落とし穴: その1 そもそも書類を揃えるのが簡単ではない>

特に揃えるのが難しかった書類はこちらです。

ステップとしては、委任状を日本に送る→委任状を持って役所に行ってもらう→戸籍謄本を交付→外務省用の委任状を持って
霞が関の外務省ビルに行ってもらう→提出→翌日にアポスティーユがついた書類を取りに行く→郵送でフランスまで送ってもらう→到着した書類をパリの大使館まで持って行く→翻訳してもらう。
これが1セットで、10書類ほど必要になりますので、大変さがわかると思います。

また郵送のやりとりが1-2週間かかる上に3ヶ月以内に全て揃えなければいけないというプレッシャーがあります。

日本から取り寄せる書類

出生証明書・・・日本には出生証明書という書類は存在しないので、まず市役所から戸籍謄本を取り寄せます。そして外務省から”アポスティーユ”という「この書類は日本から発行された正式な書類です」という証明書をつけます。(外務省からのアポスティーユは無料ですが、返信用の切手を入れた封筒を入れれば郵送でも可能です)それを在仏日本大使館にお願いしてフランス語に「出生証明証」として翻訳してもらいます。

身分証明書・・・パスポート、及び市役所から、「本人は成人しており、無破産です」という証明書が必要。これらもアポスティーユが必要で、更にフランス語に翻訳をしてもらいます。

日本の戸籍謄本と身分証明書は母親に「委任状」を預けて日本の市役所で代わりに交付してもらいました。アポスティーユは霞が関の外務省に直接行けば無料、もしくは郵送代のみです。フランス語に訳してもらうサービスは1通10.5ユーロ。2通で21ユーロでした。

このように日本から揃える書類が各自10枚ほどあり、普通ですと役所に行って1通発行してもらうだけの作業が、フランスから行うため、非常に困難になります。

★フランス側からもらう書類
他の人とPACSしていませんよ、という証明や、成人しています、共通の住所の証明書類、私と彼は血のつながりはありませんという証明を提出します。

これらを証明する書類は、住所は自作のレター、住所証明は過去3ヶ月以内の電気、ガスの請求書などです。
賃貸の方は大家さんあての請求書・大家さんから「彼らはうちに住んでいます」という証明レターとIDのコピーが必要です。

他の人とPACSしてませんよという書類は、フランスの市の機関に手紙を送って証明書を出してもらう必要があります。
他の証明は自分たちで書いてサインするだけです。

PACSの誓約書
これは二人で作るもので、いわゆるPACSに置ける決めごと。
ネットで探すと色々と出てきます。自分たちで作りました。
オーソドックスな、財産分与や、PACS解消の際は・・・などの項目を入れて全12ページ。
(何を入れても良いそうで「洗濯・家事・炊事は全て彼が行う」とか、「オムツは全て彼が変える」なども入れようと思えば入れられます)

<パックスの落とし穴: その2 バカンス前は役所が機能していない>

私の場合は、書類を必死になって揃えましたが、3ヶ月もかかりました。(この時点で妊娠7ヶ月)

そしていざ、裁判所に電話しましたが、

「クリスマス前は忙しいから1月末に来て」

…さすがバカンス大国フランスで、休みの前はなるべく仕事を増やしたくない態度でした。
これは大問題で、私のビザが切れる時期を考えると、1月末にパックスだと遅すぎるのです。

電話では埒があかないので、私は直接裁判所に出向いて涙ながらに説得をしました。

そして、何とか2週間後に入れていただけ、クリスマス前にギリギリでパックス届けを出しました。
ただ、この対応は本当に担当者次第です。

フランスでは夏や冬のバカンス時期は役所が機能していないので、本当にタイミングに気をつけてください。
回避方法としては上記に挙げた難しい書類をまずはじめに集め、それが揃った時点で即、裁判所の予約をしておくことです。

 

<パックスの落とし穴: その3 職場の配偶者ビザ申請不可>

多くの方は、配偶者ビザの取得を目的にパックスをされると思いますが、
ビザが切れる前にパックス申請⇒配偶者ビザ取得を行う場合は、注意が必要です。

私もPACSを終えた後、私は彼の職場を通じて、配偶者ビザを申請しようとしました。
しかし、書類も送って一息ついていたら、思いもよらない連絡がきました。

「配偶者ビザ申請不可」

担当者の痛恨の一言が「結婚してないと職場から申請できない」と。

理由としては、フランス国内では簡単にパックスが出来るのでビザ目当てにパックスして、
ビザを取得した途端にパックスを解消する、というMariage Blanc(白紙結婚)が多発しているので、
彼が働いていた場所では、パックスの同伴者のビザの取り扱いはしないことになっていたのです。

自分たちで移民局に直接出してくださいと言われました。

これには私達も愕然としました。
というのは、移民局はとにかく長蛇の列で、朝の5時から並んでも先着xx名しか担当者と会えず、申請の予約すら取れないという状態なのです。
職場を通すとその並んだりする必要がなくなり、ものすごく楽になるのです(それでもビザの取得には大体6カ月ほどかかります)

回避方法としては、私たちは結局日本で籍を入れることにしました。
それで結婚しているカップルということになり、職場を通じて申請をしました。

パックスとして配偶者ビザが下りるのはとても時間がかかるので、
もし先にフランスに長期で入りたい場合は、一旦ワーキングホリデーや語学留学など他の形のビザを取得するというのも手だと思います。

フランスの他のビザでの滞在方法を検討されている方はこちらをご覧ください。

フランスの語学留学の記事はこちら

フランスの大学を検討し始めた方はこちらをご覧ください。
費用面や英語のプログラム、友達作りなどについて解説しています。

大学院への留学を検討されている方はこちらをご覧ください。
フランスは大学院であれば、英語のプログラムも多くあります。

フランスへの移住のきっかけは?

はじめは気軽に渡仏をするつもりが、その後の展開でフランスに移住することになった方もいます。
皆様も渡仏後は、色々な扉が開けることでしょう!

 

 

ヨーロッパ体験談   ヨーロッパでアパートを見つける方法

<まとめ>

日本だと想像しにくいのですがフランスはこう行った役所仕事は本当に苦労します。
言われて持ってきた書類は「それはやっぱりいらなかった」と担当者に言われて持って帰ると数日後に
却下の手紙がきて「書類不備」なんてこともあります。(担当者に言われて提出しなかったのに実は必要だったなど)

パックスについてまとめますと、日本人がフランス人とパックスする際は勝手が異なりますので、覚悟と注意が必要です。

① 揃える書類が膨大です。日本の書類が特に大変。パックスが簡単というのは仏人同士の場合。
② 難しい書類から揃えて、それが揃ったら即、裁判所で提出の予約をすること。
③ 彼の職場を通じて配偶者ビザの申請ができるかどうか、事前確認が必須です。

ということに注意してパックス⇒配偶者ビザを攻略してください!

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